蘆江怪談集 (ウェッジ文庫)

蘆江怪談集 (ウェッジ文庫)の詳細

この10月20日に発売された蘆江怪談集、75年ぶりの復刻は待ち遠しかった。その僕が70代である。アマゾンで購入のつもりが、1500円以上に満たないので購入を諦め、中古の出品を見たらえらく高い売価である。刊行5〜7年にも満たないのに、この売価は納得出来なかった。それで駅舎のブックファーストに出かけ尋ねたら、初版新本カバー帯付で購入出来たのである。気に入った本は自作の函を作るので、早速に函を作りマックで書名を作り背に貼り付ける。目下、平山蘆江の文章を読破中だ。中々の文章には百年余の時代差なんか何も無い。読みやすく、むしろ饒舌にも感じるのである。携帯小説やら、分けの解らない文章が新世代には注目されているらしいが、もっと本当の文章を読むべきである。僕のような活字中毒人間には、松本清張以後の作家文章は殆ど読んでいない。面白くない。行間が空きすぎて文章の情感が希薄、感動を呼び起こしてくれる文章は、思わず反復したり、声を出して読みたくなるのである。また、選び抜かれた語彙が素晴らしいからだ。蘆江怪談集、文庫での復刻は情けないけれど、仕方がないのだろうけど、せめて使用される用紙ぐらい焼けに強い書籍紙を本文に採用されたい。雑な用紙は、直ぐに日焼け茶色になるのだから。