都市経済学 (有斐閣ブックス)

都市経済学 (有斐閣ブックス)の詳細

近年において空間計量経済の研究が進み、都市経済学や空間経済学も平行して研究が進展してきましたが、こういった応用分野を学習する上での基礎となるミクロ経済学の学習には膨大な時間が必要であり、いっぱしの研究者となるのは容易ではありません。というのも、入門向けと題される経済学の教科書の多くは微分積分を捨象して大雑把かつ直観的な説明をしており、付属する演習問題との難易度の乖離が著しく、経済学にある独特の式変形や数学的なロジックを身に着けることが出来ませんし、研究者向けの教科書は院レベルを対象としているため、すでに基礎的な知識を身に着けているものとして厳密な論理が展開され、上級者向けの応用分野への橋渡しとなる教科書は数が少ないのが現状です。この教科書は上級レベルへの橋渡しとまではいきませんが、言葉、図、数式の三つを連結させた説明をしてくれていますし、ミクロ経済学の基礎的な数学の説明はとても分かりやすかったです。そういった意味では、ミクロ経済学の基礎と都市経済学への応用を学ぶ上で、最初に手に取ってみるといいかもしれません。