ともに悲嘆を生きる グリーフケアの歴史と文化 (朝日選書)

ともに悲嘆を生きる グリーフケアの歴史と文化 (朝日選書)の詳細

グリーフケアについての基本書です。フロイトほか西洋の精神分析／精神医学の知見も参照しつつ、基本的には日本におけるグリーフケアの歴史的な展開、宗教の役割、文学や歌にどのように表れてきたのかについて、コンパクトに収められています。私は、自分自身が大きな悲しみを抱え、そこからの救いを求めてこの本を手に取りました。この本は、悲しみに寄り添うために書かれた本ではありません。悲しみに寄り添ってくれることはありません。が、「悲しみに寄り添う行為が社会的にどのように展開されてきたのか」が読みやすく整理されていることで、私自身が抱える悲しみがある程度整理されてきた感覚を持つことができました。この本だけで悲しみや喪失感を解消することはできませんが、少しでも前を向ける日が来ることを期待できそうです。